01 背景
似ているのは、
景色ではなく課題のほうだった。
姉妹都市提携は数多くあります。ただ、その多くは文化交流にとどまり、産業や研究には接続しません。式典と表敬訪問が続き、関係は続いているのに何も生まれない。国際連携が形骸化する典型的な経路です。
一方で南ウェールズと北九州市は、鉄鋼・重工業・エネルギーを基盤に発展し、いま「産業を維持しながら脱炭素を進める」という同じ課題に直面しています。産業を捨てずに転換する。雇用と地域経済を守りながら構造を変える。どちらの都市にとっても、これは避けられないテーマです。
構造が似ている都市同士なら、
交流ではなく事業として成立する。
02 立ち上げ
前例のない枠組みを、
2社でゼロからつくった。
北九州市とウェールズを結ぶ枠組みは、もともと存在したものではありません。英国政府系イノベーション支援機関 Connected Places Catapult と URBANIX の2社が、相手都市の選定から関係構築の設計まで、ゼロからつくったものです。
都市間連携が事業に届かないのは、行政同士だけで話が閉じるからです。大学の研究者、産業界、スタートアップ支援機関。実際に手を動かす主体が同じテーブルにいなければ、合意はできても実装されません。私たちは CPC が推進する Innovation Twins Program の日本側パートナーとして、訪問団の受け入れから協定、共同研究、学生交流までを一本の流れとして設計してきました。
制度が先にあったのではない。
2社で枠組みをつくり、
そこに人を集めた。
枠組みが動き始めたあと、それぞれの立場から連携に関わる組織が加わっています。私たちは各者と個別に契約関係を持ち、担う役割を分けています。
- Connected Places Catapult共同発起者英国地方都市と日本の地方都市の国際都市間連携(産業連携)における共同推進事業者。URBANIX は日本側のパートナーとして、立ち上げから一貫して参画しています
- 北九州市提言・運営支援グローバル戦略素案に関する英国(特にウェールズ)連携を軸とした専門的提言、欧州・投資分野の知見を活用した戦略高度化支援、および情報発信ツール作成に関する提言業務/英国ウェールズ訪問団の歓迎レセプションにかかる通訳および企画運営補助
- 日建設計・日建設計総合研究所コンサルティング同社の新規事業検討にあたり、国際都市間連携に関する調査・助言を提供。その一環として、2025年12月のシンポジウムに登壇しました
03 経緯
単発の視察では、
ここまで来られない。
2023年の立ち上げから、往復を重ねてきました。一度きりの交流ではなく、2社で始めた枠組みに関係者が加わり続けていることが、いま動いている案件の前提になっています。
- 2023Connected Places Catapult と URBANIX が、日英の都市間連携の枠組みづくりに着手。CPC が北九州市を初訪問
- 2024.08CPC が調査レポート『UK-Japan Innovation Twins for Net Zero』を発行
- 2025.01ウェールズ関係者による公式訪問団が北九州市を訪問。日本製鉄 八幡製鉄所の視察に同行し、歓迎レセプションの企画運営・通訳を担当
- 2025.09北九州市立大学の教員とともにウェールズおよび CPC を訪問(リサーチ支援)。時期が重なったため、続けて日建設計・NSRI と英国5都市のイノベーション地区を現地調査
- 2025.12日建設計・NSRI からの受託業務の一環として、福岡でのシンポジウム『Accelerating INNOVATION Through International City-to-City Collaboration』に代表・岩淵が登壇
- 2026.03北九州市立大学の教員・学生 約10名がカーディフ大学・スウォンジー大学を訪問
- 2026.06ウェールズを再訪。CSA Catapult、Bay Technology Centre 等を訪問し、半導体分野の連携協議が進展
04 記録
現地で、
何を見てきたか。
CSA Catapult / 化合物半導体の応用拠点。2025年9月と2026年6月の二度訪問し、半導体分野の連携協議へつながった
Bay Technology Centre / 2026.06
Connected Places Catapult / 2025.09
アバーサウ旧石炭火力発電所跡地 / 2025.09
日建設計・NSRI との現地調査。再生可能エネルギー拠点への再開発が進む
施設視察 / 2025.01
05 成果
協定、共同研究、学生交流。
関係が回路になった。
- OUTCOMEウェールズの大学・産業団体・広域行政・基礎自治体が一体となった公式訪問団の北九州市訪問を実現
- OUTCOMECOMPASS小倉と Tramshed Tech の間で MoU を締結。日英のスタートアップ相互展開プログラム「Green Bridge Digital」が立ち上がり
- OUTCOME北九州市立大学とカーディフ大学の共同研究が進行。2026年3月に教員・学生 約10名の訪英が実現
- OUTCOMECSA Catapult・CSconnected との協議を通じて、半導体分野での連携が具体化
- OUTCOME立ち上げから3年で、日建設計・NSRI をはじめとする国内の主要プレイヤーが枠組みに参画。2025年12月には福岡でシンポジウムが開催されるまでに広がった
- NEXT洋上風力・水素・アンモニア、循環型産業の各分野で連携協議が進行中。日本版 Enabler として「(仮)イノベーション地区間連携ワーキング」の組成へ
DISCLOSURE POLICY
実績ページでは、クライアントとの合意が得られた範囲のみを掲載しています。契約内容、費用、未公表の計画、および進行中の協議の詳細については記載していません。掲載写真は、写り込んだ組織および参加者の了解を得たうえで公開しています。