クリエイティブな街とは何か。私たちは、多様な商業活動が行われていて、かつ商いにおいて回転率よりも雰囲気・プロダクト・独自の体験が重視され、それが付加価値になっている場所だと定義しています。
そんな街が育つには条件があります。商業化が進みすぎておらず、賃料が控えめであること。歩いて楽しい、変化に富んだ街であること。遠方からもわざわざお客さんが来ていること。代表が九州大学大学院で続けてきた、個店やクリエイターの集積プロセスの研究とも重なる知見です。ただ、こうした街はこれまで、感覚的にしか特定できませんでした。クリエイティブな事業者が、自分を発揮できる街を根拠を持って選べるように。研究成果を反映した指標づくりが、この共同開発の出発点です。
クリエイティブなエリアには、データで捉えられる共通の構造があります。商業地であること。小さな店が集まるマイクロコンプレックスがあること。商業化が進行しすぎておらず、住居と商業が混在する余白が残っていること。「買う」「食べる」「飲む」「見る」「表現する」など、活動が多様であること。
指標の背後には、エリアの成熟段階という考え方があります。商業の集積が小さすぎる段階では活動が生まれず、進みすぎると賃料の高騰で多様性が失われる。その中間、成熟と調和の帯域にこそ、クリエイティブな店舗オーナーが集まります。店舗の集積規模と商業化の進行度からこの段階を判別し、オープンデータとURBANIX独自の知見・アルゴリズムを組み合わせて、マップ上に可視化しました。今後は人流データを重ね、若い人が来ているか、遠方からわざわざ来ているかといった来訪の質まで評価に取り込んでいきます。
本指標は、総合工事業者・位置情報データプロバイダとURBANIXの3社による共同開発です。URBANIXの「Placebook」とのデータ連携、人流データとの相互接続を含め、解析結果の一部表示・サブスクリプション・API連携といった提供形態を設計しています。
エリアの「創造性指標」は、自治体・店舗オーナー・ディベロッパー・不動産仲介が共通して必要とするインフラ情報になりえます。空洞化への対策をどこから打つべきかの根拠を探す自治体。2〜3店舗目の出店先を探す店舗オーナー。次のホットスポットを意図的に仕掛けたいディベロッパー。スペック競争ではなくストーリーで提案したい不動産仲介。それぞれの判断を、同じ指標が支えます。