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TOMOKAZU IWABUCHI

岩淵 丈和

代表取締役/URBANIX株式会社
代表理事/一般社団法人リジェネラティブQ
事務局長補佐/福岡地域戦略推進協議会
代表取締役 岩淵丈和
CHAPTER 01

人の可能性は、
環境によって拓かれる。

1996年、北九州に生まれました。大学は教育学部に進みましたが、「教師になる」という進路にはどこか違和感がありました。人の可能性を支えることには関心がある。けれど、いまの教育制度の中でできることには限界があるのではないか。その思いが頭を離れませんでした。

転機は、スウェーデンへの留学でした。そこで出会ったのは、まちというもうひとつの学びの場です。広場で過ごす人々、落ち着いた時間の流れ、誰もが自由にいられる空気。まちは単なる空間ではなく、人の在り方をやさしく包み込む環境なのだと、肌で感じました。

その後、ミャンマーで教育系スタートアップに関わる機会を得ます。軍事クーデターとパンデミックという予期せぬ状況のなかで、人の可能性が社会構造によってあっけなく奪われていく現実を目の当たりにしました。

人を変えようとする前に、
まず変わるべきなのは
環境のほうではないか。
CHAPTER 02

なぜ、特定のまちでは
小さな挑戦が集まるのか。

九州大学大学院で都市デザインを学びはじめ、ひとつの問いに辿り着きました。小さな個店やクリエイターが集まり出すエリアには、共通する条件がある。そこには人のこだわりがにじむ余白があり、それを受け止める空気が流れている。

博士課程では、研究テーマを「スモールビジネスの集積プロセス」に定めました。個店が自然と集まり始めたエリアを地図にプロットしてクラスタリング分析にかけ、出店者や内装施工業者、不動産仲介者に話を聞いてまわる。傍から見ればかなり地味な研究です。

複数のエリアを見比べて浮かび上がったのは、拍子抜けするほど単純な法則でした。安く、低リスクで挑戦できる余白があるところに、個性的な店が集まる。しかもその余白を生み出しているのは、土地の所有構造や、改修を請け負う工務店の存在といった、意外なほど地味な要因でした。

同時に痛感したことがあります。まちの現象を言葉や感覚だけで語るのではなく、定量的な根拠をもって説明し、判断に活かす必要があるということです。

空気感は良さそうだけど、根拠がない。
経験則はあるけれど、再現できない。

都市・不動産の現場での意思決定を支えるには、データと感性のあいだに橋をかける技術と仕組みが要る。そう考えて、2023年9月にURBANIXを創業しました。

CHAPTER 03

URBANIXという名前。

Urban(都市)、Mix(混ざり合い)、そしてAxis(軸・変化の軸線)。多様な人や価値観が都市という場に混ざり合いながら、新たな関係性や文化が生まれ、やがてそれがまちの在り方そのものを動かしていく軸になる。その軸は、個の活動や営みであってほしいと考えています。

環境は、静かに人をかたちづくる。
だから、環境にこだわっていい。

正解を押しつけるのではなく、違和感や好奇心に素直でいられる場所を増やしたい。声を上げずとも、誰かの「やってみたい」が自然に始められる空気をつくりたい。それは、まちの未来を語ることではなく、ひとりの人間が今日どう動けるかという問いに向き合うことだと思っています。

04 専門

専門分野

都市デザイン。都市空間における人々の活動や経済行動をデータから分析し、持続可能な都市経営や都市再生の実現手法を研究しています。

「どのような人や事業者が、どのような場所で活動することで地域の価値が向上するのか」という都市の価値創造メカニズムの解明を主な研究対象とし、個人店やクリエイター、小規模事業者などのボトムアップな活動に着目しながら、定量的に地区を評価し、賑わいや地域経済に与える影響を分析しています。

05 代表を務める法人

一般社団法人リジェネラティブQ
代表理事

「九州から、リジェネラティブする。」を掲げ、地域の価値を再解釈し、未来へ織りなす実践コミュニティとして立ち上げた社団です。私は代表理事を務めています。

九州の挑戦環境には、構造的な違和感があります。学生インターンが「安価な労働力の確保」や短期の会社見学にとどまり、事業の核心に触れる機会が極めて限られていること。アクセラレーションプログラムやビジコンは増えても、アイデアの優劣を競う一過性のイベントで終わりがちなこと。優秀な人材が足りないのではなく、若者が本質的な実践を積み、自らの意志を社会に実装していくための構造が足りないのだと考えています。

偶然の幸運を、
運のいい学生だけのものにしない。
九州の標準として、仕組みにする。

社団の理事はいずれも、かつて九州で惑い、もがいていた学生でした。人生が動いたきっかけは、学生時代にたまたま出会えた、価値観を揺さぶり内発的な動機を呼び覚ましてくれた人や仕事でした。その偶然を仕組みに変えることが、この社団に懸ける理由です。

中心となる事業は、リジェネラティブ・インターンシップです。学生を受け入れる側の企業にとっても、次世代の実践者を共に育てるパートナーシップとして設計しています。研究成果の事業化と、社会課題の解決。その両輪に学生を橋渡しし、行政案件が実質的なボランティアにならないよう、社団が中間支援組織として予算を確保したうえで、継続的な実践機会をつくります。

06 参画しているプロジェクト

永井敬二コレクションの
継承とまちへの実装

インテリアデザイナー・永井敬二氏(1948-2024)が半世紀以上をかけて蒐集した推定25,000点のコレクション。椅子だけで1,500脚を超え、照明、家電、生活雑貨、カタログ類にまで及ぶ、デザイン史そのもののアーカイブです。主を失ったこのコレクションは、散逸の危機にありました。

私は一般社団法人プロダクトデザイン研究所の「デザインセンター準備室」として、このプロジェクトに参画しています。目指しているのは保存施設ではなく、プロのデザイナーから職人、子どもたちまでが本物に触れられる「デザインセンター」を福岡に設立することです。

デザインは単なる装飾ではなく、
人々の対話を生み、暮らしを支える
公共のインフラである。

その第一歩として、コレクションのアーカイブ調査に着手しました。あわせて都市回遊型デザイン展「名作椅子のエクスペディション」を福岡市内で開催し、コレクションの存在を市街地に開いています。この展覧会は、URBANIX株式会社が後援しました。

07 著書

著書・共著

ジェントリフィケーションの功罪(学芸出版社)

ジェントリフィケーションの功罪

ゆるやかな都市成長のためのケーススタディ
学芸出版社/龍谷大学国際社会文化研究所叢書/共著

08 メディア

取材・登壇のご依頼

都市計画、エリアデータ活用、遊休不動産の再生、国際都市間連携といったテーマで、取材・執筆・講演を承っています。

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