都市デザイン・ファームのURBANIX株式会社は、福岡県宗像市が推進する「宗像市産官学共感プラットフォーム」のトライアル事業「発信型ヴィラプロジェクト ~宿泊事業ポテンシャル可視化調査~」に、都市計画・空間解析パートナーとして参画しました。
事業の目的
本事業は、KBCグループの新規事業として構想された「目的地型(デスティネーション型)宿泊施設」の実現可能性を検証するものです。福岡市・北九州市からのアクセス性と豊富な観光資源を有する宗像市の海沿いエリアにおいて、空き地や空き家を活用した「放送局グループならではの独自性を持った宿泊施設」の展開可能性を探りました。
仮説
従来の感覚的な判断ではなく、データに基づく可視化を重視しました。観光ポテンシャルや課題を定量化・マップ化することで宿泊事業の成功確度を高められると仮定し、あわせて大規模投資に依存せず、空き家活用など地域特性を活かした事業モデルがエリア全体の価値向上につながる可能性を検証しました。
調査内容および結果
空間的課題分析(SNS・位置情報データ活用)
URBANIXはSNS投稿分析とエリア課題の可視化を担当し、以下を明らかにしました。
- SNS投稿には「食べる」「体験する」が多い一方、「泊まる」を目的とした動詞はほとんど見られず、宿泊目的地としての認知が低いこと
- 鐘崎エリアは古い建物と新しい建物が混在し、漁港や道の駅などの人気スポットが点在するものの面的につながっておらず、回遊性に課題があること
- コンテンツが昼間に集中し、朝・夕方・夜の時間帯の魅力が不足していること
- シェアサイクルやトゥクトゥク等の導入により「ラストワンマイル」を補完し、回遊性を高める必要性
連携体制
本事業は以下の3社がそれぞれの専門性を活かして連携し、実施しました。
- KBC開発株式会社:プロジェクト統括、新規宿泊事業構想の立案
- 株式会社Logian:観光アンケートデータの因果関係分析、ターゲット分析
- URBANIX株式会社:都市計画・空間解析、SNS投稿分析、エリア課題の可視化
実証結果と今後の方向性
本調査の結果、景観や立地を活かした宿泊施設の整備にとどまらず、地域全体で魅力を発信し人を惹きつける「発信型のまちづくり」が重要であるとの結論に至りました。今後の取組みとして、ラジオ空間を併設した宿泊施設の開発、まち歩きを促す仕組みづくり、「推しの地域」の形成などが検討されています。
URBANIXは、都市デザイン・ファームとしての知見を活かし、データに基づくエリアの可視化を通じて、今後も宗像市をはじめとする各地域の産官学連携による実証・価値創造に貢献してまいります。
同様の調査解析については事業ページに、本件に関するご相談はお問い合わせフォームからお願いいたします。
出典
本記事は宗像市産官学共感プラットフォームサイトの発表内容にもとづき作成しています。
【報告】発信型ヴィラプロジェクト ~宿泊事業ポテンシャル可視化調査~(宗像市) ↗